「うちの子、疲れているみたいだからサプリメントを飲ませようかな」と考えたことはありませんか。受験期の保護者の方にとって、お子さんの健康管理は成績と同じくらい気になるテーマではないでしょうか。ドラッグストアや通販サイトには「受験生向け」と銘打ったサプリメントが多数並んでいますが、実際に必要なものなのか、飲ませて大丈夫なのか、迷われている方も多いと思います。この記事では、受験生とサプリメントの関係を栄養の観点から整理し、保護者の方が判断するための考え方をお伝えします。
サプリメントより先に確認すべきこと
サプリメントを検討する前に、まず大前提として知っておいていただきたいことがあります。サプリメントとは「supplement(補う)」という英単語が示す通り、あくまで食事で不足しがちな栄養素を補うためのものです。食事の代わりになるものでも、飲めば頭がよくなるものでもありません。
受験生のお子さんが「疲れやすい」「集中できない」と感じている場合、その原因が本当に栄養不足なのかどうかを確認することが最初のステップです。睡眠不足・運動不足・精神的なストレスが原因であれば、サプリメントで解決できるものではありません。
プレジデントFamily(2026年5月号)の記事でも、受験生の脳のパフォーマンスを最大化するためには「何時に何を食べるか」というタイムスケジュールそのものが重要だという専門家の見解が紹介されています。つまり、サプリメントを足す前に「食事の内容・タイミング・睡眠の質」を整えることが先決だといえます。
とはいえ、受験期は特に生活リズムが乱れやすく、偏った食事になりがちなことも事実です。そうした状況下で食事だけでは補いにくい栄養素を意識的に摂ることには、一定の意味があります。
受験生が不足しやすい栄養素とは
では、受験期に特に不足しやすい栄養素とはどのようなものでしょうか。一般的な傾向として、次のような栄養素が挙げられます。
まず「ビタミンB群」です。糖質をエネルギーに変える際に必要な栄養素で、勉強中に頭を使えば使うほど消費される傾向があります。白米・パン・麺類を主食とする食事では摂れていても、野菜や肉・魚が少ないとビタミンB群が不足しやすくなります。
次に「鉄分」です。厚生労働省「国民健康・栄養調査(2023年)」によると、10代〜20代の女性は特に鉄の摂取量が推定平均必要量を下回る割合が高いという傾向が示されています。女子の受験生では鉄欠乏による貧血が集中力低下や倦怠感につながることがあり、レバーや赤身肉・ほうれん草などから積極的に摂ることが望まれます。しかし受験期の忙しさから食事が簡単なものになると、どうしても不足しやすくなります。
「ビタミンC」は免疫力の維持と、ストレスに対抗するホルモン(コルチゾール)の合成にも使われます。精神的なストレスが高まる受験期には消費量が増えるといわれています。フルーツや野菜から摂るのが理想的ですが、野菜不足の場合には意識的な補給が助けになることもあります。
「DHA・EPA」は青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸で、脳の神経細胞の構成成分として知られています。魚を食べる頻度が少ない場合には、サプリメントで補う選択肢もあります。
ただし、これらの栄養素はあくまで「食事でバランスよく摂ることが前提」であり、不足している場合に補うものです。現在の食事内容を振り返ることが、サプリメントを選ぶ前の第一歩になります。
サプリメントを選ぶときの注意点
お子さんにサプリメントを飲ませることを検討する場合、いくつか注意していただきたいポイントがあります。
まず、「過剰摂取に注意する」ということです。ビタミンA・D・Eなど脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすく、摂りすぎると逆に体に負担をかけることがあります。「多く飲めばより効果がある」という考え方は誤りで、用量を守ることが基本です。複数のサプリメントを同時に飲んでいる場合は、同じ栄養素が重複して過剰になるリスクもあります。
次に、「薬との相互作用を確認する」ことも大切です。花粉症や鼻炎で薬を服用しているお子さんがいれば、サプリメントとの組み合わせによって影響が出る場合があります。かかりつけの医師や薬剤師に確認することをおすすめします。
また、「成分表示を必ず確認する」ことも必要です。「受験生向け」とパッケージに書かれていても、含まれている成分・量はさまざまです。何が入っているのかを確認せずに「なんとなく飲む」という選び方は避けていただくことをおすすめします。
プレジデントFamily(2026年5月号)では、東大理IIIに合格した受験生の事例として、試験当日の間食に「ハイチュウ」を選んだというエピソードが紹介されています。これは特別なサプリメントではなく、食べ慣れた手軽なエネルギー補給を意識的に活用した例です。特別なものを用意するより、日常の食生活の延長線上でできる工夫の方が、かえって効果的なことも多いといえます。
食事で意識したい受験期の栄養管理
最も大切なのは、やはり毎日の食事です。忙しい受験期でも、意識的に取り組めることをいくつかお伝えします。
「朝食を抜かない」ことは、脳のエネルギー補給という観点から特に重要です。脳のエネルギー源であるブドウ糖は、体内に長時間蓄えておくことができません。朝食を食べないと午前中の授業や勉強中に集中力が落ちる可能性があるといわれています。
「夕食のタイミングと内容」も見直してみてください。塾から帰宅が遅い場合、夜遅い時間に重い食事をとることで睡眠の質が下がることがあります。塾の前に軽く食べて帰宅後は消化のよいものにするなど、タイミングを工夫する方法もあります。
「水分補給」も忘れがちなポイントです。脳の約80%は水分で構成されているといわれており、軽度の脱水状態でも集中力や記憶力に影響が出ることがあるとされています。勉強中はこまめに水や麦茶を飲む習慣をつけることが大切です。
サプリメントを検討するよりも先に、こうした食事の基本を整えることが、お子さんの受験生活を支える土台になります。
まとめ
受験生にとってサプリメントが「絶対に必要」というわけではありませんし、「全く意味がない」とも言い切れません。大切なのは、サプリメントを万能薬として期待するのではなく、「食事・睡眠・運動という土台があった上で、不足を補う手段の一つ」として位置づけることです。
プレジデントFamily(2026年5月号)が伝えているように、脳のパフォーマンスを引き出すのは特別なサプリではなく、日常的な生活習慣の積み重ねです。お子さんの体調変化が気になる場合は、まず食事内容・睡眠時間・ストレスの状況を確認してみてください。それでも改善しない場合や、特定の栄養素の不足が疑われる場合は、医師や薬剤師に相談した上でサプリメントの利用を検討するとよいでしょう。2026年の夏に向けて、学力と同じくらい「体の準備」も大切にしてあげてください。
https://president.jp/family/
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html
■ 参考情報
【プロ講師個別指導塾の合格GET】
https://gokakuget.com/
