「あと1週間しかない」と焦りを感じている受験生の方、その気持ちはとてもよくわかります。しかし、残り1週間の使い方を間違えると、これまでの努力が実力として発揮されにくくなることがあります。直前の1週間に何をすべきか、何をすべきでないかを整理しておくことで、本番のパフォーマンスを最大限に引き出せる可能性が高まります。
直前1週間の基本方針は「新しいことをしない」こと
多くの受験生が直前期に陥りやすいのが、「まだ手をつけていない問題を解こう」「新しい参考書を読もう」という行動です。これは一見すると熱心に見えますが、実は逆効果になりやすい選択といえます。
直前1週間の基本方針は、「新しい知識を増やすことより、これまで学んだことを確実に引き出せる状態にすること」です。脳は新しい情報を覚えるためには一定の時間と反復が必要です。試験前日に初めて目にした内容が本番で活かせる確率は、それほど高くはないでしょう。
一方、すでに一度理解した内容を見直すことは、記憶を定着させる上で非常に効果的です。自分が間違えた問題、苦手だった単元、解けたけれども時間がかかった問題。そうした「過去の自分のつまずき」を記録したノートや問題集の書き込みが、この1週間の最大の教材になります。
文部科学省の「学校基本調査」(令和7年度)によると、大学進学率は年々上昇傾向にあり、受験生一人ひとりが受ける入試のプレッシャーも増しています(出典:文部科学省「学校基本調査」https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm)。だからこそ、直前期に焦って詰め込もうとする受験生が増えているのも事実ですが、「積み上げてきたものを信じる」姿勢がこの時期には最も重要です。
1週間のスケジュールをどう組むか
直前1週間のスケジュールは、大きく前半(試験4〜7日前)と後半(試験1〜3日前)に分けて考えるとわかりやすいでしょう。
前半のメインは「弱点の再確認と補強」です。模試や過去問で繰り返し失点してきた分野を一通りおさらいします。ただし、ここでも「完全に理解できていないことを今から習得しようとする」のは禁物です。「なぜ間違えたか」の原因を確認し、同じミスを繰り返さないための意識を整えることが目的です。たとえば数学であれば計算ミスのパターン、英語であれば時制や語順の誤りなど、自分特有のミスのクセを振り返ることが大切です。
後半は「仕上げと心身の調整」に移ります。試験2〜3日前になったら、新しい問題演習の量は絞り込み、知識の確認と体調管理に重点を置きましょう。睡眠時間は削らないことが強く推奨されています。睡眠不足は記憶の定着を妨げ、集中力や判断力にも影響します。直前期に夜更かしをして少しでも多く勉強しようとする行動は、かえって当日のパフォーマンスを下げるリスクがあります。
また、試験会場への行き方・所要時間、受験票・持ち物の確認なども後半の時期に済ませておきましょう。当日の朝に焦って探し物をするだけで、せっかく整えてきたコンディションが崩れることがあります。
科目別に意識しておきたいポイント
国公立大学の二次試験は、大学によって出題傾向が大きく異なります。東京大学の公式サイト(https://www.u-tokyo.ac.jp)でも入試情報が公開されているように、大学ごとに過去問のスタイルや設問形式に特徴があります。直前期はその大学の過去問を活用した「形式慣れ」が特に重要です。
英語では、長文読解や英作文の場合、時間配分の確認が最後の仕上げとして効果的です。本番で「時間が足りなくなって最後まで解けなかった」という事態を防ぐために、制限時間を意識した演習を1〜2回行っておくとよいでしょう。
数学では、典型問題の解法パターンの確認が有効です。ただし、初見の難問を解くのではなく、「確実に得点できる問題を落とさない」という意識が大切です。
理科・社会では、重要語句や公式の最終チェックをコンパクトにまとめたノートで確認するのがおすすめです。分厚い参考書を最初から読み直す必要はありません。自分が整理した一枚のまとめシートが、この時期には最大の武器になります。
国語・小論文では、答案の書き方・構成の型を頭に入れ直す時間を確保しましょう。特に記述式の回答では、字数制限や問いに対する答え方の形式が採点の鍵を握ることがあります。
精神面のコントロールも「準備」のひとつ
直前1週間は、学力面だけでなく精神面の安定も大切な課題です。「もっとやっておけばよかった」「受かるかどうか不安」という気持ちが出てくるのはごく自然なことですが、不安に引きずられて学習リズムを崩してしまうと本末転倒になります。
おすすめなのは、「自分がこれまでにやってきたことを書き出す」という方法です。使い終えた参考書の数、解いた過去問の年数、模試での得点の推移。こうした「積み上げの証拠」を目に見える形で確認すると、根拠のある自信につながりやすいといえます。
また、保護者の方も受験生の緊張を受け止めやすい時期です。直前期は「勉強しているの?」という言葉より、「体調はどう?」「何か食べたいものある?」という言葉かけのほうが、受験生の心の安定に寄与することが多いでしょう。食事や睡眠、温かい声かけは、この時期にこそ大きな力を持ちます。保護者の方ができるサポートを、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
まとめ
二次試験直前の1週間は、新しいことに手を広げるより「自分がこれまで積み上げてきたものを整える」ことに集中する時期です。弱点の確認・時間配分の練習・体調管理・持ち物の準備を一つひとつ丁寧にこなすことが、本番での実力発揮につながります。「残り1週間しかない」ではなく、「まだ1週間ある」という視点で、やれることをやり切ってください。受験生の方も、サポートする保護者の方も、最後まで焦らず・あわてず・諦めずに向き合っていただければと思います。
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
https://www.u-tokyo.ac.jp
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/index.htm
■ 参考情報
【プロ講師個別指導塾の合格GET】
https://gokakuget.com/
