「集中しているつもりなのに、なんだか頭がぼんやりする」――そんな経験が、実は水分不足からきている可能性があります。受験生にとって水分補給は、勉強の効率を左右する大切な習慣のひとつです。毎日の学習を最大限に活かすためにも、正しい補給のタイミングと量を知っておきましょう。
水分不足は脳のパフォーマンスを下げる
重要ポイント
重要ポイント
- 脳は体重の2%で20%の水分を消費する
- 2%の脱水で集中力・記憶力が低下する
- 1時間ごとにコップ1杯(200ml)が目安
- カフェイン飲料は利尿作用で逆効果
- 常温の水か麦茶が最も吸収されやすい
学習ステップ
勉強机の手が届く位置に水筒を置き、意識せず水分補給できる環境を作る
スマホや時計のアラームを活用し、定期的な水分補給のリズムを作る
こまめに少量ずつ飲むことで体への吸収率を高め、集中力を維持する
薄い黄色が理想的。濃い色なら脱水のサインなので水分量を増やす
普段と同じ水分補給パターンで本番に臨み、最高のパフォーマンスを発揮
水分補給の注意事項
- 糖分の多いジュースは血糖値の乱高下で集中力低下
- 就寝前の過剰摂取は睡眠の質を下げる原因に
- 冷たすぎる飲料は胃腸に負担をかけ体調不良のリスク
まず知っておきたいのは、脳と水分の深い関係です。人間の脳は約75〜80%が水分で構成されているといわれており、その量が少し不足するだけで、認知機能に影響が出てくるとされています。具体的には、集中力の低下・記憶力の低下・判断力の鈍化といった症状として現れることがあります。
一般的に、体内の水分が体重の1〜2%失われた段階で集中力に影響が出始めるとされており、口の渇きを感じる前にすでに脱水が始まっているというのが医学・スポーツ科学の分野での共通見解です。つまり「のどが渇いたから飲む」では遅い場合があるということです。
受験生が長時間机に向かって勉強しているとき、体を動かしていないからといって水分が減らないわけではありません。脳はエネルギーを大量に消費する器官であり、考えること自体が体内の水分消費と深く関わっています。問題を解いたり文章を読んだりする行為は、脳にとって十分な「作業」です。
なお、プレジデントFamily(2026年5月号)では、カフェインを多く含む飲料を子どもが大量摂取することへのリスクが取り上げられていました。受験生の間でエナジードリンクや強いコーヒーを飲む習慣が広がっていますが、これらに頼りすぎることには注意が必要といえます。水分補給の基本はあくまで水やお茶が中心と考えておくとよいでしょう。
1日に必要な水分量の目安
では、実際に1日どれくらいの水分を摂ればよいのでしょうか。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人が1日に必要とする水分量(食事由来を除く飲料からの目安)としておよそ1.5〜2リットル程度が示されています。受験生の多くを占める高校生の年代でも、この基準は参考になります。
ただし、これはあくまで目安であり、季節・室温・体格・運動量によって異なります。5月はゴールデンウィーク明けから中間テストの時期が重なり、室内での学習時間が増えやすい時期です。エアコンのない環境や暖かい室内では、汗や呼気からじわじわと水分が失われていきます。特に今年(2026年)の5月は気温の変動が大きい予報も出ており、体調管理に例年以上の注意が求められる時期といえます。
勉強中の水分補給として意識したいのは「こまめに少量ずつ」という原則です。一気にたくさん飲むよりも、30〜60分に1回、コップ1杯程度をこまめに補給する方が、体への吸収効率がよいとされています。勉強の区切りに立ち上がって水を飲む習慣は、気分転換にもなり、集中力のリセットにも役立ちます。
勉強中に適した飲み物・避けたい飲み物
水分補給といっても、どんな飲み物でもよいわけではありません。特に受験生が選ぶ飲み物によって、勉強の効率に影響が出ることがあります。
「勉強に向いている飲み物」として一般的に挙げられるのは、常温か少し温かい水・麦茶・緑茶(少量)・白湯などです。これらは体への刺激が少なく、水分補給という本来の目的を果たしやすい飲み物です。特に麦茶はカフェインを含まないため、夜の学習中でも睡眠を妨げにくいという利点があります。
一方、「注意が必要な飲み物」として挙げられるのがカフェインを多く含む飲料です。コーヒーや強めの紅茶、そしてエナジードリンクは一時的な覚醒効果をもたらしますが、過剰摂取による睡眠の質の低下・依存性・カフェインが切れた後の強い眠気といったデメリットもあります。前述のプレジデントFamily(2026年5月号)でも「1日缶2本で死に至ることがある」という小児科医のコメントが掲載されており、お子さんや若者にとってカフェインの過剰摂取は無視できないリスクだといえます。
砂糖を多く含むジュースやスポーツドリンクも、飲みすぎると血糖値の急上昇・急降下を招き、眠気や集中力の低下につながることがあります。水分補給が目的であれば、糖分の少ないものを選ぶことが望ましいでしょう。
試験本番での水分管理も意識しよう
水分補給の習慣は、日常の勉強中だけでなく、模試や試験本番でも重要な役割を果たします。大学入試センターの公式サイト(2026年時点)では、令和8年度(2026年度)および令和9年度(2027年度)の試験情報が案内されており、これから受験に向けて準備を進める保護者の方やお子さんにとって、試験当日のコンディション管理は成績に直結する問題です。
試験会場では、緊張や環境の変化から予想以上に喉が渇いたり、頭がぼんやりしたりすることがあります。試験前日から適切な水分補給を意識しておくこと、そして当日は試験開始前・休憩時間にしっかり水を飲むことが、脳のパフォーマンスを安定させるうえで効果的とされています。
ただし、飲みすぎると試験中にトイレが気になってしまうという問題もあります。試験の1〜2時間前から過度に飲みすぎず、適度な量を心がけることがポイントです。これは普段の模試でも意識して練習しておくとよいでしょう。普段から「どのタイミングで、どのくらい飲むか」を試験形式のシミュレーションとして習慣化しておくと、本番で余計な心配をせずに済みます。
まとめ
受験生が勉強中に行う水分補給は、単なる健康管理ではなく、学習効率を高めるための「戦略のひとつ」です。のどが渇く前にこまめに飲む・飲み物の種類を意識する・試験本番での水分管理を練習しておくという3つのポイントを押さえておきましょう。
中間テストが近い今の時期(2026年5月)は、長時間の勉強が増える季節でもあります。机の上に水を常備するだけで、集中力の維持に明確な違いが出ることもあります。まずは今日から、コップ1杯の水を机に置く習慣から始めてみてはいかがでしょうか。小さな習慣が、勉強の質を着実に高めていきます。
https://president.jp/family/
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/eiyou/syokuji.html
■ 参考情報
【プロ講師個別指導塾の合格GET】
https://gokakuget.com/
