障がいや病気を抱えながら大学受験に挑むお子さんをお持ちの保護者の方にとって、受験上の配慮制度は欠かせない仕組みです。その申請手続きが、2027年度(令和9年度)の大学入学共通テストから大きく変わることが明らかになっています。「状況報告書」の提出が必須となるこの変更は、受験生にとって何が変わり、どのような準備が必要になるのでしょうか。早めに理解しておくことが、スムーズな申請につながります。
「受験上の配慮」とはどんな制度なのか
まず、受験上の配慮制度の基本をおさらいしておきましょう。
大学入学共通テストでは、視覚障がい・聴覚障がい・肢体不自由・病弱など、さまざまな状況を抱える受験生に対して、試験の公平性を保ちながら受験できるよう特別な対応をしています。具体的には、試験時間の延長(通常の1.3倍または1.5倍)、別室受験、点字問題冊子の使用、チェック解答の使用、拡大文字問題冊子の使用などが代表的な配慮内容として挙げられます。このほかにも、座席の指定や試験室内における医療機器の使用許可など、個別の状況に応じた配慮が検討される場合があります。
大学入試センターの公式情報(https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/)によると、令和9年度試験(2027年度)に向けた試験情報が順次公開されており、受験上の配慮に関する手続きについても新たな要件が示されています。
この配慮制度を利用するためには、出願とは別に「受験上の配慮」の申請を行う必要があります。これまでも申請書類として診断書などが求められてきましたが、2027年度からは「状況報告書」の提出が新たに必須化される方向で制度が整備されています。配慮制度の利用を検討している場合は、早い段階から情報収集を始めることが大切です。
「状況報告書」とは何か、何が変わるのか
「状況報告書」という言葉は、初めて耳にする保護者の方も多いのではないでしょうか。
状況報告書とは、受験生の現在の状況、つまり障がいや疾患が試験を受ける上でどのような影響を与えているのかを、学校や医療機関などの関係者が具体的に記載した書類です。これまでの申請では、医師による診断書が主な根拠資料として用いられてきましたが、診断書だけでは「今この受験生がどのような困難を抱えているか」という現状をきめ細かく伝えきれない場合がありました。
状況報告書が必須化されることで、申請内容がより丁寧に審査されるようになることが期待されています。言い換えると、「診断名があるから配慮が受けられる」という考え方から、「現在の状況に応じて必要な配慮を判断する」という考え方へのシフトが起きているといえるでしょう。この変化は、配慮制度の対象者が一律ではなく、一人ひとりの困難の実態に寄り添った仕組みへと進化していることを示しています。
具体的には、在籍している高校の担任や特別支援教育コーディネーター、あるいは医療機関の担当者などが、受験生の日常生活や学校生活での困難の状況を記載する形式になるとみられています。つまり、申請のために複数の関係者に協力を依頼する必要が生じる可能性があります。
また、状況報告書には「現在どのような配慮があれば公平に受験できるか」という観点からの記述が重要になると考えられます。たとえば、通常の試験時間では問題を解き終えることが難しい具体的な理由や、別室での受験が必要な背景など、配慮の必要性を裏付ける情報を具体的に記載することが求められるとみられています。これまで以上に、申請書類の内容の充実が審査結果に影響する可能性がある点には注意が必要です。
いつまでに何を準備すればよいのか
2027年度の共通テストは2027年1月に実施されます。受験上の配慮の申請は、通常の出願期間よりも前、9〜10月ごろに受付が締め切られる傾向があります。
大学入試センターの公式情報(https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/)によると、令和9年度(2027年度)試験に向けた情報が公開されており、受験案内の確認は早い段階で行うことが推奨されています。
2027年1月の共通テストを受験する高校3年生であれば、現在(2026年6月)の時点ですでに準備を始めることが重要です。特に状況報告書の提出が必須化されることで、次の点に注意が必要です。
まず、医療機関や学校への相談を早めに行うことが必要です。状況報告書の作成には時間がかかることがあり、医療機関によっては予約から書類作成まで数週間から1か月以上かかる場合もあります。夏休み前の今の段階から主治医や学校の担当者に相談しておくことで、余裕を持った準備が可能になります。
次に、これまでの配慮申請で用いていた書類(診断書など)との関係を整理することも大切です。状況報告書は診断書に代わるものではなく、診断書に加えて提出が求められる可能性が高いため、両方の準備が必要になるとみられています。
さらに、学校の担任や特別支援担当の先生に状況を丁寧に伝えることも欠かせません。状況報告書には現在の学校生活での困難な状況を具体的に記載してもらう必要があるため、日頃から学校側と情報を共有しておくことがスムーズな申請につながります。
加えて、申請のタイミングを見誤らないようにすることも重要です。9〜10月の申請締め切りは思いのほか早く、夏休み中に書類収集が追いつかなくなるケースも考えられます。7月に入る前の段階で関係者への連絡・相談を済ませ、8月中には書類の収集目処を立てておくと安心です。学校によっては、夏休み中に担任や特別支援担当の先生と連絡が取りにくくなることもありますので、6月中に一度相談の場を設けることをおすすめします。
高1・高2の段階からできる備え
2027年度入試を受験する可能性がある現在の高校1・2年生の保護者の方にとっても、この制度変更は早めに把握しておきたい情報です。
配慮申請の審査では、日常的な状況の記録が重要な根拠になることがあります。たとえば、学校での授業や試験において実際に困難があった記録、医療機関での継続的な受診記録などが、状況報告書の信頼性を高める材料になります。「記録がない」「受診が途切れていた」という状況は、申請の際に不利になる場合もあるといわれています。日常の積み重ねが、将来の申請を後押しすることにつながります。
現段階でお子さんが何らかの障がいや疾患を抱えている場合は、主治医との定期的な面談を継続し、高校側とも連携を図りながら記録を積み重ねておくことが将来の申請を支えます。また、学校の特別支援教育コーディネーターに現在の状況を伝えておくと、いざ申請の段階になったときに学校側の協力を得やすくなります。
さらに、大学入試センターの公式サイト(https://www.dnc.ac.jp)では、受験上の配慮に関する情報が随時更新されています。令和9年度(2027年度)に向けた詳細な申請要件や様式が公開され次第、速やかに確認することをおすすめします。特に「状況報告書」の具体的な書式や記載項目は、公式発表を忘れずに確認してください。
なお、現在の高校2年生は2028年度入試(2028年1月実施)が本番となる場合がほとんどですが、共通テストの配慮申請制度は年度ごとに改訂が加わる場合がありますので、最新情報の確認を習慣づけておくことが大切です。
まとめ
2027年度の大学入学共通テストから、受験上の配慮申請において「状況報告書」の提出が必須化される方向です。これは、受験生一人ひとりの現在の状況をより丁寧に把握した上で配慮内容を判断しようとする制度の進化といえるでしょう。一方で、申請に必要な書類が増え、準備に要する時間も長くなることが予想されます。早めの行動が、スムーズな申請と適切な配慮の実現につながります。
現在(2026年6月)の時点で2027年1月の共通テストを目指している高校3年生であれば、夏休み前のこの時期に主治医・学校担当者への相談を始めることが理想的です。高1・高2のお子さんであれば、日常の状況記録や医療機関との連携を今から意識しておくことが将来の申請に役立ちます。大学入試センターの公式情報を定期的にチェックしながら、余裕を持った準備を進めてください。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/
■ 参考情報
【プロ講師個別指導塾の合格GET】
https://gokakuget.com/

