「あの学校は難しすぎる」「もっと現実的な学校を選んでほしい」——お子さんが志望校を告げた瞬間、そう感じた保護者の方は少なくないのではないでしょうか。親心だからこそ反対したくなる気持ちは自然なものです。でも、その一言をどう伝えるかで、親子関係にも受験結果にも大きな差が生まれることがあります。
なぜ親は志望校に反対したくなるのか
保護者の方が子どもの志望校に反対する理由は、大きくいくつかのパターンに分かれることが多いといわれています。
一つ目は「学力と志望校のギャップへの不安」です。今の成績では合格が難しそうに見える、模試の判定がE判定続きだ——そういった状況で「本当に大丈夫なのか」と感じるのは当然の親心といえます。
二つ目は「費用や通学距離などの現実的な問題」です。私立大学への進学費用は家庭によっては大きな負担になります。文部科学省「学校基本調査」(令和5年度)によると、大学・短大への進学率は過去最高水準で推移しており、進学を希望する家庭が増えているぶん、費用面の悩みを抱える保護者の方も多い傾向があります。
三つ目は「将来への心配」です。「その学校を出ても就職に不利なのでは」「卒業後の選択肢が狭くなるのでは」と、先のことまで考えてしまう保護者の方は多いでしょう。
いずれも、子どものことを本気で考えているからこそ生まれる不安です。ただ、大切なのは「反対するかどうか」より「どのように話し合うか」にあるといえます。
反対するときに気をつけたい伝え方
「そんな学校、無理に決まっている」「もっとちゃんと考えなさい」——こうした言葉は、子どもの意欲を一気に奪ってしまう可能性があります。受験勉強は長期戦です。モチベーションが折れてしまうと、その後の学習にも大きく影響することがあります。
保護者の方が意見を伝えるときに意識したいのは、「否定」ではなく「対話」の姿勢です。たとえば「なぜその学校を選んだの?」と理由を聞くことから始めるだけで、子どもの考えが見えてくることがあります。子どもなりにきちんと調べて選んでいる場合も多く、話を聞いてみると親の心配が解消されることも少なくありません。
また、反対意見を伝える場合でも、「あなたの気持ちはわかった。ただ、こういう点が心配なんだ」という順番で話すと、子どもは受け止めやすくなります。頭ごなしに「ダメ」と言うのではなく、心配している理由を具体的に伝えることが大切です。
さらに、「もし合格できなかったときのことも一緒に考えよう」と提案するのも有効な方法です。志望校だけを押し通すのでも、親の意見を一方的に押しつけるのでもなく、現実的な選択肢をともに整理していく姿勢が、子どもの安心感にもつながります。なお、この「対話を優先する」という考え方は多くの教育専門家が推奨する一方、「現実を早い段階でしっかり伝えることが子どものためになる」という見解もあり、家庭の状況やお子さんの性格に応じて使い分けることが重要です。
子どものやる気を守ることが最優先
進路選択において、お子さん自身が「ここに行きたい」と思う気持ちは、受験勉強を続けるための大きなエネルギー源になります。志望校が明確であるほど、長い受験期間を乗り越えるための原動力になるという傾向は、教育現場でも広く認識されています。
一方で、保護者の方から強く反対された結果、本当は行きたい学校をあきらめてしまったお子さんが、その後の学習意欲を失ってしまうケースもゼロではありません。「親に言われたから受けた学校」への進学が、モチベーションの低下につながることもあるとされています。
もちろん、学力面で明らかに準備が足りていない場合や、費用的に現実的でない場合には、正直に話し合うことが必要です。ただ、その際も「あなたの夢を否定したいわけではない」というメッセージを伝えながら話すことで、子どもは親の言葉を「攻撃」ではなく「応援のための提案」として受け取りやすくなるでしょう。
お子さんのやる気を守りながら現実的な視点も加えていく——この両立が、保護者の方に求められる姿勢といえます。
学校訪問・オープンキャンパスを一緒に活用しよう
「百聞は一見にしかず」という言葉があるとおり、実際に学校を見ることで、親子ともに認識が変わることがあります。お子さんが志望している学校のオープンキャンパスや学校説明会に、保護者の方も一緒に参加してみることをおすすめします。
実際に足を運んでみることで、「思っていたよりいい学校だった」と感じる保護者の方は多いといわれています。逆に、お子さん自身が「実際に見たら少しイメージと違った」と気づき、志望校を見直すきっかけになることもあります。
2026年の夏は、多くの高校・大学でオープンキャンパスや学校説明会の機会が設けられます。一般的に7月〜8月にかけて開催校が集中しますので、今のうちに各校の公式サイトで日程を確認しておくとスムーズです。また、学校によっては予約が必要な場合や定員が設けられている場合もありますので、早めに情報を集めておくことをおすすめします。この時期を上手に活用して、親子で同じ場所を体験することが、進路についての話し合いをより具体的で建設的なものにしてくれるでしょう。
「一緒に見に行こう」というひと言が、対立しかけていた親子の関係を前向きな方向へと変えるきっかけになることもあります。情報収集と対話を組み合わせながら、志望校選びを進めていくことが大切です。
まとめ
お子さんの志望校に反対したくなる気持ちは、愛情があるからこそ生まれるものです。ただ、その気持ちをどう伝えるかによって、受験への意欲や親子関係に大きく影響することがあります。まずはお子さんの話をしっかり聞き、心配している理由を具体的に共有しながら、一緒に進路を考える姿勢を大切にしてください。2026年夏のオープンキャンパスも積極的に活用しながら、お子さんとともに「最善の選択」を見つけていきましょう。保護者の方の温かい関わりが、お子さんの受験を支える一番の力になるはずです。
■ 参考情報
【プロ講師個別指導塾の合格GET】
https://gokakuget.com/

