英語の参考書を選ぼうとして、書店や通販サイトを開いた瞬間に「多すぎて何を選べばいいかわからない」と感じたことはないでしょうか。文法・単語・長文読解・リスニング……分野ごとに数十冊が並び、どれが自分に合うのか判断するのは簡単ではありません。特に高校生は学年や志望校によって必要な力が大きく異なるため、「人気だから」という理由だけで選ぶと遠回りになってしまうことがあります。今回は、目的別・レベル別に英語参考書の選び方を整理し、学習効果を高めるためのポイントをわかりやすくお伝えします。
参考書を選ぶ前に「自分の課題」を確認する
参考書選びで最も大切なのは、「今の自分に何が足りないか」を知ることです。英語が苦手な高校生の多くは「英語全体が苦手」と感じていますが、実際には「単語が覚えられていない」「文法の基礎が抜けている」「長文が読み解けない」「リスニングが聞き取れない」など、課題は人によって大きく異なります。
まず学校の定期テストや模試の結果を振り返り、どの分野で点数が落ちているかを確認しましょう。文部科学省が学習指導要領において示しているとおり、高校英語は「聞く・読む・話す・書く」の4技能を総合的に伸ばすことを目標としており(出典:文部科学省 初等中等教育、https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/index.htm)、参考書もその技能ごとに特化したものが数多く出版されています。
自分の弱点が単語・文法・読解・リスニングのどこにあるかを先に特定することで、参考書選びの「軸」が定まります。やみくもに難しい参考書に手を出すのではなく、まず土台を固めることが英語力向上への近道といえるでしょう。
単語・文法の基礎固めにおすすめの参考書の選び方
英語学習の土台となるのは「単語力」と「文法力」です。どれだけ長文読解の問題演習を積んでも、単語の意味がわからなければ文章は読めませんし、文法の仕組みを理解していなければ正確に読み解くことはできません。
単語帳については、高校生に長く使われてきたものとして、共通テストの頻出語彙をカバーしているシリーズが安定した支持を得ている傾向があります。選ぶ際のポイントは「収録語数」「例文の質」「音声教材の有無」の3点です。収録語数は1,500〜2,000語程度をカバーするものが高1〜高2の段階では十分で、難関大学を目指す場合はさらに上位レベルの語彙に対応したものを追加するとよいでしょう。
文法参考書については、「説明型(解説中心)」と「問題演習型」の2タイプがあります。文法の仕組みをゼロから理解したい場合は解説が丁寧な説明型を、ある程度基礎がある場合は演習量の多い問題集型を選ぶのが一般的です。文法は暗記だけでなく「なぜそうなるのか」という理屈を理解することで応用力が高まります。理屈から入るアプローチの参考書は、特に文法が苦手な高校生に向いているといえるでしょう。
長文読解力を鍛えるための参考書の選び方
共通テストでは英語の長文問題の比重が非常に高く、速読力・精読力の両方が問われます。大学入試センターの公式データによれば、2025年度の大学入学共通テスト英語(リーディング)の平均点は100点満点中約58点前後で推移しているとされており(出典:大学入試センター、https://www.dnc.ac.jp ※詳細は大学入試センター公式サイトをご確認ください)、得点差がつきやすい科目のひとつとなっています。
長文読解の参考書を選ぶ際には、「レベル設定が自分に合っているか」「解説が充実しているか」「設問形式が入試に近いか」を確認することが大切です。難しすぎる問題集を選んでしまうと、解いても解説が理解できず学習が停滞してしまいます。最初は「少し易しいかも」と感じるレベルから始め、正答率が8割を超えたら次のレベルに上げていくのが効果的です。
また、長文読解の練習では「答えが合っているかどうか」だけでなく、「なぜその答えになるのか」を文中の根拠から説明できるかどうかを確認することが重要です。解説が詳しく、根拠の示し方を丁寧に説明している参考書を選ぶと、独学でも読解力が着実に伸びていきます。
リスニング・英作文・スピーキングに対応した参考書の選び方
2021年度から始まった大学入学共通テストでは、英語の試験がリーディングとリスニングの2科目構成となり、リスニングの配点比率が従来のセンター試験に比べて大幅に引き上げられました。リーディングとリスニングの配点比率は現在100点対100点(各200点満点の合計400点をそれぞれ100点に換算)となっており、リスニング対策を後回しにすることができない状況といえます。
リスニング参考書を選ぶ際は、音声の速度設定を変えられるものや、スクリプト(英文テキスト)が充実しているものを選ぶと学習しやすくなります。また、共通テスト形式に対応した問題が多く収録されているものは、実際の試験に慣れるという観点でも効果的です。
英作文については、「自由英作文」と「和文英訳」の2種類があります。志望校の出題形式を先に確認し、それに合った参考書を選ぶことが効率的です。自由英作文は「まとまった内容を英語で伝える力」を問うもので、表現のパターンをストックしながら練習する必要があります。基本的な例文を100〜150程度書けるようにすることが土台となるでしょう。
スピーキングについては、総合型選抜(旧AO入試)や英語外部試験を活用する大学入試で求められる場面が増えています。英検やGTECなどの外部試験対策に特化した参考書も出版されており、受験する資格・試験の形式に合わせて選ぶことが大切です。
学年・時期別の参考書活用法
参考書を選ぶだけでなく、「いつ・どの順番で使うか」も重要なポイントです。2026年5月の現在は、高2・高3ともに中間テストの時期にあたります。この時期は定期テスト対策を優先しながらも、受験に向けた基礎力の積み上げを並行して進めていくのが理想的です。
高1・高2の段階では、単語帳と文法参考書を優先して取り組みましょう。単語帳は毎日少しずつ続けることが効果的で、1日20〜30語を繰り返し確認する習慣をつけることが長期的な語彙増強につながります。文法は学校の授業内容と連動させながら参考書で補強する使い方が効率的です。
高2の後半から高3にかけては、長文読解の問題集を本格的に活用する時期です。2027年1月実施の共通テストを目標に据えるなら、高2の夏休みを終えるころには基本的な文法・語彙の習得を終え、長文読解の演習を中心にシフトしていくことが望ましいといえます。
参考書は複数冊を同時進行で使うよりも、1冊を繰り返してやり切るほうが定着率が高い傾向があります。「やり切れる量の参考書を1冊ずつ確実に終わらせる」という姿勢が、結果的に英語力の底上げにつながっていきます。
まとめ
英語参考書の選び方は、「人気ランキング」だけを頼りにするのではなく、自分の学年・目的・現在の実力に合ったものを選ぶことが大切です。単語・文法・長文・リスニング・英作文と分野ごとに必要な参考書は異なり、今の自分の課題を整理した上で選ぶことが遠回りを防ぐポイントになります。また、1冊選んだらやり切ることを意識し、中間テストや模試の結果を見ながら定期的に見直す姿勢を持つことが大切です。保護者の方も、お子さんが何冊も参考書を積んでいないか確認していただき、「今どの1冊に集中するか」を一緒に考えてみてください。英語力は着実に積み上げるものです。焦らず、自分に合った参考書を見つけていきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/index.htm
https://www.dnc.ac.jp
■ 参考情報
【プロ講師個別指導塾の合格GET】
https://gokakuget.com/
