大学入試で英語外部試験はどう使われている?保護者と受験生が知っておくべき活用の現状

大学入試で英語外部試験はどう使われている?保護者と受験生が知っておくべき活用の現状

「英検を持っていると入試で有利になる」と聞いたことがある保護者の方も多いのではないでしょうか。でも実際のところ、英語外部試験が大学入試でどのように使われているのか、仕組みをきちんと理解している方は少ないかもしれません。この記事では、英語外部試験の活用状況をめぐる経緯や現状、そして各大学がどのように試験スコアを取り扱っているかについて、できるかぎり丁寧にお伝えします。

目次

そもそも「英語外部試験」とは何か

英語外部試験とは、大学入試センターや大学が独自に実施する試験とは別に、民間の検定機関が実施している英語の検定試験のことを指します。具体的には、英検(実用英語技能検定)、TOEFL iBT、IELTS、TOEIC L&R、GTEC、テックス英検(ケンブリッジ英語検定)などがこれに該当します。

これらの試験は、もともとは語学力の証明や留学・就職などの場面で使われていましたが、近年は大学入試の場でも活用されるようになっています。大学によって「出願資格として使う」「加点に使う」「英語の試験を免除する」など、使い方はさまざまです。

英語という科目は「読む・書く・聞く・話す」の4技能で構成されていますが、従来の大学入試では「読む・聞く」に偏りがちでした。英語外部試験は「話す・書く」も含む4技能を評価できるため、より実践的な英語力の測定に適しているとされています。この点が、大学入試への導入を後押しした背景のひとつといえるでしょう。

2020年度改革で何が起きたのか

英語外部試験と大学入試の関係を語るうえで、欠かせない出来事があります。それが2020年度の大学入試改革をめぐる議論です。

文部科学省は当初、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」において、英語の4技能を測るために民間の英語外部試験を活用する仕組みを導入しようとしていました。具体的には、センター試験から移行した共通テストの枠組みの中で、英語民間試験のスコアを大学に提供する「英語成績提供システム」が計画されていました。

しかし、この計画は2019年に実施が見送られることになりました。その理由として指摘されたのは、主に次のような懸念です。受験生が住む地域によって試験会場へのアクセスに格差が生じること、各民間試験の難易度や評価基準が統一されていないため公平な比較が難しいこと、そして受験料の高さが経済的な格差を生む可能性があること、などです。

大学入試センターの公式サイト(2026年4月取得)でも確認できるとおり、現在の共通テストでは英語は「リーディング」と「リスニング」の2種類が実施されており、民間試験の成績を共通テストの枠組みで一元的に活用する仕組みは現時点では採用されていません。この経緯を知っておくことは、現在の入試制度を理解するうえでとても重要です。

では現在、英語外部試験はどう使われているのか

共通テストへの一元導入は見送られましたが、だからといって英語外部試験が入試と無関係になったわけではありません。各大学が独自の判断で、出願要件や加点措置として英語外部試験のスコアを活用するケースは引き続き存在しています。

活用のパターンは大きく分けて3つあります。

1.出願資格として使うパターンです。たとえば「英検2級以上の保持者のみ出願可」といった条件を設ける大学があります。この場合、一定の英語力があることを前提として合否判定が行われます。

2.英語試験の免除または換算をするパターンです。「英検準1級以上を保持している場合、英語の筆記試験を免除する」または「スコアを一定の点数として換算する」という形です。英語が得意な受験生にとっては有利に働く可能性がある仕組みといえます。

3.加点措置として使うパターンです。英語外部試験のスコアに応じて合否判定の際にボーナス点が加算される方式です。英語力が高い受験生を積極的に評価したい大学が採用する傾向があります。

河合塾の入試情報サイト(2026年4月取得)によると、各大学の入試情報は年度ごとに変化する可能性があり、最新の入試要項を確認することが重要だとされています。保護者の方は、志望大学の公式サイトや最新の入試ガイドを毎年必ずチェックするようにしてください。

英語外部試験を活用する際に注意すべきこと

英語外部試験を大学入試に活かすためには、いくつか押さえておきたい点があります。

まず、「どの試験が認められているか」は大学ごとに異なります。英検は多くの大学で認められていますが、IELTSやTOEFLの取り扱いは大学によってさまざまです。お子さんが受験を考えている大学がどの試験を対象としているか、早めに確認しておくことが大切です。

次に、スコアや級の「有効期限」の問題があります。多くの大学では「出願時から2年以内のスコア」を有効と定めているケースが多いとされています。高校1年生や2年生のうちに取得したスコアが、受験本番の時点で有効かどうかを必ず確認してください。

また、英語外部試験に向けた対策と、共通テストや個別試験に向けた対策は必ずしも一致しないという点にも注意が必要です。たとえばスピーキングやライティングは外部試験では重要ですが、共通テストでは現時点では問われません。学習の優先順位を誤らないよう、全体のスケジュールを俯瞰する視点を持つことが求められます。

さらに、試験の受験料は決して安くないことも意識しておきましょう。英検であれば級によって異なりますが、準1級や1級の受験料は数千円から1万円前後になる場合があります。計画的に受験回数を絞り、最もスコアが活かせるタイミングで臨むことが賢明といえるでしょう。

まとめ

英語外部試験の大学入試への活用は、2020年度の共通テスト導入時に大きな転換点を迎えました。民間試験を共通テストに組み込む計画は見送られたものの、各大学が独自に英語外部試験のスコアを活用する動きは続いています。大学入試センターの公式情報(2026年4月取得)でも確認できるとおり、共通テストでは英語リーディングとリスニングが実施されており、外部試験の活用は各大学の裁量に委ねられている状況です。

保護者の方とお子さんには、まず志望大学の最新の入試要項を確認したうえで、英語外部試験の取得が有利に働くかどうかを判断することをおすすめします。制度は毎年変化する可能性があるため、情報収集を習慣化することが合格への近道になるでしょう。

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